身長が2学年も下の子より小さい!そんなときは?
低身長症の判断基準
その判断基準ですが、身長の高さだけを気にする人が多いのですが、身長は基準をクリアしていても、1年間の背の伸び具合が小さい場合も「問題あり」ということがありますので、下記の表(@:身長・A:年間の伸び)どちらも確認する必要があります。
. | 男子 | 女子 |
---|---|---|
1歳 | 69.7 | 67.7 |
2歳 | 79.5 | 79.0 |
3歳 | 86.1 | 84.4 |
4歳 | 92.3 | 91.1 |
5歳 | 97.9 | 97.9 |
6歳 | 103.7 | 103.5 |
7歳 | 109.5 | 108.8 |
8歳 | 114.7 | 113.9 |
9歳 | 119.7 | 118.8 |
10歳 | 124.5 | 123.9 |
11歳 | 128.9 | 130.2 |
12歳 | 133.9 | 137.0 |
13歳 | 140.7 | 142.3 |
14歳 | 148.6 | 145.3 |
15歳 | 154.7 | 146.5 |
16歳 | 157.7 | 147.1 |
17歳 | 158.8 | 147.4 |
. | 男子 | 女子 |
---|---|---|
1〜2歳 | 8.9 | 8.8 |
2〜3歳 | 7.0 | 6.8 |
3〜4歳 | 6.0 | 6.0 |
4〜5歳 | 5.4 | 5.6 |
5〜6歳 | 4.9 | 5.2 |
6〜7歳 | 4.5 | 4.9 |
7〜8歳 | 4.5 | 4.4 |
8〜9歳 | 4.3 | 4.1 |
9〜10歳 | 4.0 | 4.4 |
10〜11歳 | 4.0 | 5.9 |
11〜12歳 | 4.5 | 6.1 |
12〜13歳 | 6.9 | 2.9 |
13〜14歳 | 6.9 | 1.1 |
14〜15歳 | 3.3 | 0.4 |
15〜16歳 | 1.4 | --- |
低身長の種類と原因
@ 体質性低身長
体質的なものですから、平均身長より低いだけで、病気などによるものではありません。そのため、平均身長より極端に低くなることは滅多にありません。
A 思春期遅発症
思春期が来るのが遅い場合、高校生くらいから急激に背が伸びる子供がいます。このような場合、最終的には正常な身長になりますので治療などは必要ありません。
B 栄養不良
偏食などで栄養が足りず、タンパク質が足りていない場合、背の伸びに影響が出る可能性はありますが、治療が必要なほど低身長になることはほどんどありません。
C 心理・社会的原因
環境の変化(引っ越し・新学期・離婚・再婚など)によって精神的に不安定になり、成長ホルモンの分泌が悪くなって、身長の伸びに影響が出る場合があります。このような場合、ストレス改善を図り、不安定な精神状態を正常に戻すことが必要です。そのため、成長ホルモン治療は効果がありません。
D 低出生体重性低身長症
生まれたとき、体重が少なくても、あとで平均値に追いつくことが多いのですが、希に低身長のままになる場合があります。海外では、このような場合も成長ホルモン治療を行っている国がありますが、日本では行われていません。
E 思春期早発症
思春期が始まる時期が極端に早い場合、身長の伸びる期間が短くなるため、思春期を遅らせる治療が必要になります。
F 染色体の病気
低身長の女子に多いターナー症候群の場合、成長ホルモンの投与が有効とされています。
G 骨の病気
軟骨に異常がみられる軟骨異栄養症の場合、極端な低身長になります。その場合、成長ホルモン治療を投与することで、ある程度の効果を期待することは出来ますが、脚延長術と呼ばれる手術を行う場合もあります。
H ホルモンの病気
成長ホルモン分泌不全性低身長症や甲状腺機能低下症と診断された場合、それぞれに応じた治療が必要になります。
I 内臓の病気
腎臓で上手く尿が作れない慢性腎不全の場合、成長ホルモン投与はある程度有効です。
低身長の検査方法
スクリーニング検査の内容
@ 成長曲線の作成
学校なでで受けた健康診断の診断書などを元にして、何歳のときに身長が何センチだったかを調べ、それをグラフにして、身長の伸び率などを調べます。
A 手の甲のレントゲンを撮る
骨の成長度合いを確認するために、手の甲のレントゲン写真を撮ります。そのレントゲン写真を見れば、発育の度合いが分かります。
B 尿中の成長ホルモンを測定する
深夜に分泌された成長ホルモンは、尿からも検出されます。そのため、朝一番の尿を検査すれば、睡眠中の成長ホルモンの分泌量を知ることができます。
C 血液検査を行う
深夜、寝ている間も成長ホルモンは分泌されるのですが、十分に成長ホルモンが分泌されていれば、肝臓などで「ソマトメジンC」と呼ばれる成分が生成されます。そのため、採血をして、そのソマトメジンCを測定すれば、成長ホルモンが分泌されているかどうかを知ることが出来ます。
上記の検査で、成長ホルモン分泌不全の可能性があると診断された場合、成長ホルモン分泌刺激試験を行うことになります。
これは、成長ホルモンを促す薬を使用し、血液中にどれくらいの成長ホルモンが出ているかを調べる検査です。
その検査の結果、全く成長ホルモンが出ていない場合や、成長ホルモンが僅かしか出ていない場合、「成長ホルモン分泌不全性低身長症」と診断され、成長ホルモンを注射によって補う治療を開始することになります。